楊名時太極拳と平和への願い

　　　　　　　　　　　　　　　　　ゆったり健康太極拳愛好会　　白幡美保子　　

　楊名時健康太極拳二十四式は部分の演舞で“太極の舞”“不老拳”“百花拳”などの呼び方をされますが、私個人としては百花拳がもっとも好きです。定式や動きなどはほとんど同じでも、みんなで輪になってできるところが大きく違うからです。

　先日、ある会（パーティ）で百花拳を演舞する機会がありました。「今日は私一人でちょっと寂しいのですが、大勢の人が何重にも輪になってやると、本当に百の花が開いたり閉じたりするような美しい動きになります。」という説明を加えさせていただいたところ、皆さんとてもびっくりされていました。

太極拳は相手を倒すだけの勇ましい武術の動きだと思っていたのです。

　楊名時先生が小さい時から身につけてきたそういう武術の太極拳を“友好・健康・平和”の美しい花の咲く太極拳に変え、日本の国内に広めてきたその胸の内は、今日の世界情勢を考えれば痛いほどよくわかります。

当事国のウクライナは勿論、ロシアにもかつての楊名時先生と同じ思いをしている人は数えきれないほどいることでしょう。

　楊名時先生の声が聞こえてきそうです。＝こんな時こそ、皆さんご一緒に太極拳をやりましょう！＝

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０２３年7月３日

　　スポーツ時の水分補給について　　2021年10月27日　双樹会　阿部文明　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

高齢者や小児は、脱水症を起こしやすいという体の特性があります。高齢者では、体温調節機能が低下し、体液が減少するだけでなく、喉の渇きに鈍感になります。そのため、部屋の温度をこまめにチェックする、喉の渇きが起こらなくても早めに水分をとるなどの注意が必要です。運動時に筋肉を動かすと、体では熱が作られます。通常この熱は、血管拡張や発汗により体から放出されます。このとき発汗した分の水分を補えないと、体の水分が減り、脱水症や熱中症を起こしてしまいます。

・水分摂取のタイミング
水分補給は、運動前、運動中、運動後のいずれのタイミングにも必要です。運動前のウォーミングアップ時には、発汗で体の水分を失うことや、体温が上がりすぎるのを防ぐために水分をとります。このとき、冷たい飲料を選ぶようにすると、運動中に深部体温が上昇するのを防ぐのに効果的で、無駄な発汗を抑えることができます。また、運動中の水分補給には、体温の上がりすぎを防ぐことに加え、失われた水分や電解質を速やかに補給するという目的があります。特に、暑熱環境で運動するときは、深部体温の上昇や持久性パフォーマンスの低下を抑えるために、冷たい飲料を選ぶとよいでしょう。そして、運動後は、失われた水分や電解質を補給し、コンディショニング（トレーニングや試合後の体の適応を最大限にする）するために水分をとります。体重損失分と同程度か体重損失分の120%程度の量を、運動後1時間以内に補給するとよいでしょう。このとき、タンパク質入りの飲料を補給すると、体内の水分量を調節するアルブミンというタンパク質の量が増えることがわかっています。

・摂取する水は何が良いか

・水温5℃～15℃位。　

・0.1～0.2％の食塩と糖質を含んだものが効果的で、一般のスポーツドリンクなど。

・糖質濃度が５％以上高いものは、水分が胃にたまりやすく好ましくありません。

（注意）  飲料には、食塩（0.1～0.2％）と糖質を含んだものが効果的です。特に1時間以上の運動 をする場合には、3～4%程度の糖質を含んだものが疲労の予防だけでなく水分補給効果 にも役立ちます。 ［ナトリウムが40～80mg（100ml中）入っていれば、0.1～0.2%の食塩水に相当します。

＊参考

代表的スポーツドリンクの成分比較　（100ml当たり、製造年により変化有）

　　　成　分　　　　　　　　 ドリンクP　　 ドリンクA

　　エネルギー　　　　　　　　25kal　             19kcal

        炭水化物　　　　　　　　　6.2g              　   4.7g

        ナトリウム　　　　　　　　49mg            　   40mg

        カリウム　　　　　　　　  20mg            　     8mg

　　カルシウム         　    　　        2mg             　   0.8mg

　　マグネシウム                 　　 0.6mg             　   1.2mg                              参考資料

　・（公財）日本スポーツ協会熱中症予防運動指針・ドリンク販売会社製品情報

　　楊名時太極拳　　　東北会　鍵谷英治

　新型コロナの影響によって団体スポーツの実施や観戦が難しくなり、ストレスを感じている会員も大勢いることと思います。

　私もプロ野球やJリーグの地元チームの試合観戦を楽しみにしている一人で、昨年は物足りないシーズンを過ごしました。

　そんな中で私は、健康のためと始めた健康太極拳（楊名時太極拳）をかれこれ13年ほど続けています。今では名目だけの準師範という肩書きを頂き、毎週土曜日の午前中に稽古に励んでいます。

　楊名時太極拳の師家楊名時は、1943年に中国から京都大学へ国際政治を学ぶために官費留学しました。 しかし、その後の日中関係の悪化等により帰国できず日本に留まって、子供のころより親しんでいた武術である太極拳を日本人の体型に合わせた独自の太極拳に作り上げました。これは、中国五大流派の一つ「楊式太極拳」を改良したもので、今では日本全国に愛好者がいます。

　楊名時太極拳は筋骨を鍛える武術とは異なり、心・息・動の調和を目指すゆっくりとした動きの中に呼吸法を取り入れ、気を養うことで健康維持を図ります。そのため老若男女誰でもできます。また、基本的に対戦するものではなく、他人と接触せず声も出さないため、コロナ禍においても感染の可能性が低く、加えて免疫力を高める効果もあるとされ、最適な健康法かつ趣味の一つになるのではないかと思います。 

　私自身健康になったのかと問われると自信はありませんが、少なくともここ10年以上風邪で寝込んだことがなく、効果があったのではと感じています。また、続けている方に肥満の人がほとんどいません。

　太極拳の効用については、最近米国でも研究されているようですので、皆さんも体験されてはいかがでしょうか 。 

　　注）令和３年(2021年)２月１５日（月曜日）税理士界　第１３９７号「随筆」

　　　　に掲載

キッツスポーツスクエアせんだい　堤　幸子

　平成4年5月、私は、仙台へ引越して来ました。ちょうど、けやきが芽吹き始めた街路樹を眺め何とさわやかな街だろうと思いました。

少しでも早く町並みを知りたいと思い一人でよく出歩き、 時には袋小路に入り苦笑いしたこともありました。

　今一番印象に残っていることは、一人で青葉山に登り、政宗公の銅像へ礼拝をして散策したことです。荒城の月の碑にさしかかり歌を口ずさんだ事が思い浮かびます。アップダウンもありましたが、

以前登山の経験をしていましたので上りも下りも何事もなく終了、よい経験をしたと思っています。

　人との交流を持ちたいと思い三越の別館（１４１）にありました消費生活センター内の社会見学会へ入り、グループを組んでハウス栽培のバラ園を見学しました。

バラの香りが体全体を包んでくれて いるような気分でした。

　 その当時、社会問題として一般家庭から出るゴミの収集や分別の仕方等についての説明や勉強会等も開かれましたので参加しました。こうした場が成果となり、今では、市民一人ひとりが細かく 分別して指定袋に入れて出すようになったのだと思います。カラスのいたずらを避ける網の効果も抜群です。

　人との交流でもうひとつかかせない経験はキリンスポーツクラブでした。今は社名変更になっていますが、色々なスポーツに取り組み汗を流していたころが懐かしく思い出されます。

　その後、私は病魔に襲われましたが、入院していた１０階の病室から毎朝待合室へ行き、朝日が昇ると同時に太極拳を行うことを日課としました。１日も早く回復するようにと祈りながら、練功、 八段錦、太極拳を舞う日々でした。お蔭様で今は元気で毎日を過ごすことができ感謝の気持ちで一杯です。

　「継続は力なり」私の好きな言葉です。

　健康のためにこれからも太極拳を続けて行きたいと思っています。 

　私は、わりと若い時期から右膝に痛みを抱えるようになってしまいました。社会人になってから付き合いで始めたゴルフの影響じゃないかと思っています。

学生時代からやっていたテニスはフォア、バックと両側で打つのに対し、ゴルフは右利きの人は右打ちしかしません。ゴルフは下手なので、崖の中腹から打ったり、

谷底から打ったりで多分右ひざに思わぬ負担がかかっていたと思います。それから年を振るに従い、右ひざに鈍痛を感じるようになり時には病院で水を抜いてもらったことも

あるなど、右膝に痛みを感じる時期を長く過ごしました。普段の生活では特別に影響があるわけではありませんでしたが、父母がなくなった後からお寺に行く機会も多くなり、

正座ができないため寺の住職に特別に許可をもらい胡坐のままお経を聞くことを許していただいていました。専門の医師に診てもらったところ、半月板が損傷しているので、

手術する方が良いとのこと。そんな時仕事上の先輩が、数年前に同じ手術をして完璧に治り、大好きなゴルフをしているとの言葉に私もその気になり手術をしてもらいました。

ところが、手術は成功したのですが、３ケ月のリハビリを経過してもなかなか痛みはなくなりませんでした。

手術の少し前に仕事の関係から佐藤如風先生にお会いし、米沢に一緒に出張させていただいた折、原始仏教を中心に仏像のこと、太極拳などについて色々とお話を聞かせて

いただきました。私も５０代半ばになっておりいつまでもテニスはできないかなとも思っていましたので、生涯できそうな運動として太極拳の呼吸法を学べればいいかなと

思い楊名時太極拳を教えていただくことにしました。ところが、折角教えていただくようになって２～３ケ月で膝を手術することになってしまい復帰するまで半年を要して

しまいました。でも先輩であるお仲間が楽しくリードしてくださったお蔭で、痛みを抱えながらも月に２回～３回はお稽古を続けられました。そのお蔭で毎年の審査会は必

ず受けることができ、最短で師範の審査も受けさせていただくこともできました。２０１３年１０月の本部での審査会の時は古傷じゃない左の膝が加齢により悲鳴を上げて

ましたが、整形の医師に処方してもらった痛み止めを服用したおかげで何とか転ばないで２４式を舞うことができました。あれから１年以上たちますが、最近は右も左も日常

生活では痛みを感じません。少しずつ筋力が増強されてきたことにより、曲がりにくかった膝も驚くほど曲げることができるようになっています。加齢により悪くなる一方

だと思っていましたが、逆に膝が柔らかくなってきています。太極拳のお蔭だと心から思わされる今日この頃です。とにかく長く続けることこそ大事なのでしょうね。

　いつまでも健康で元気に過ごせるようにと、地区の公民館で「健康太極拳」を習い始めて２年になる。

　太極拳は動作がゆったりとしているので、体にあまり負担をかけずに足腰を強くすることができる。人と比べたり、競ったりしないので、

ストレスをため込むこともない。スポーツが苦手で三日坊主の私が続けられている理由もそこにある。

　また、年齢や性別に関係なく、体力や体調に合わせて誰でもできる。理想の全身運動だと思う。

　喜多方市は「うつくしまねんりんピック２００２」の太極拳交流大会が同市で開催されたことをきっかけに、全国初の「太極拳のまち」を宣言。

市民の健康づくりや生きがいづくりに太極拳を役立てている。地域振興にもつながっているという。

　太極拳は、緩やかな動作を続けているうちに、自然と心身のバランスが整えられる。筋肉も鍛えられ、体力維持の効果が期待できる。良いものに出会ったと思う。

　皆さんも健康長寿を目指し、日常生活の中に太極拳を取り入れてみてはいかがだろう。

　　　　注）平成３０年３月１３日（火）河北新報朝刊「声の交差点」掲載。